便秘と腸内環境と乳酸菌のお話
お通じがなくて辛い思いをしたこと、誰でも一度はあると思います。
出したいのに出せない、お腹が重くて辛い、なんだか身体がだるい。
すっきりと出すものを出して気持ちよくなりたいというのは、便秘になったことがあるなら皆が思うことでしょう。
でも、便秘というのはただ出してしまえばそれでスッキリ、おしまいという訳にはいきません。
腸内環境を考えた場合、便秘というのは出してしまえば終わり、というわけではないのです。
健康について調べてみたことがあるならば、腸内環境という単語は目にしたことがあると思います。
腸は食べ物を消化して栄養を吸収するだけでなく、身体に悪いものをシャットアウトしてくれる大切な臓器です。
健康な腸は免疫力や集中力も高めてくれるので、お腹の調子は美味しくご飯を食べられるだけでなく、頭や心の健康にとっても重要なのです。
そんな腸の健康状態を決めるのが腸内環境。腸の中には100兆にもなる腸内細菌が住んでいて、それぞれが腸内で様々な活動をしています。
腸内環境にとってプラスな働きをする菌は善玉菌、マイナスな働きをするものを悪玉菌、状況によってどちらにも働くものが日和見菌と呼ばれています。
善玉菌が活発に活動出来るようにし、悪玉菌を抑制して日和見菌がプラスに働くようにしていくことで、腸内環境は改善されていきます。
ところがそれを邪魔するのが便秘なのです。
便秘は大腸に排泄物が長時間溜まってしまうことで起こりますが、この排泄物が悪玉菌を活性化させてしまうのです。
いってみれば排泄物は悪玉菌のご飯であり、便秘は悪玉菌へ長時間餌を提供することになっているのですね。
排泄物によって一度元気になった悪玉菌は、出すものを出したとしてもすぐに大人しくはなりません。
悪化した腸内環境は次の排泄物も腸内に溜め込んでしまい、その結果便秘が続く悪循環になってしまうのです。
その結果、更なる疾患を呼び込んでしまうことすらあり得ます。
便秘になったら出して終わりではなく、腸内環境そのものを見直す機会として真剣に向き合うことが健康に繋がるのです。
そこで出てくるのが乳酸菌です。
腸内細菌の中でも善玉菌の代表格であり、悪玉菌を抑え込んで腸を整えてくれる乳酸菌。その効果は、整腸剤などのお薬に乳酸菌が含まれていることからも明らかでしょう。
もちろん腸内環境を気にされている方は乳酸菌を摂られていることと思います。ヨーグルト等の乳製品、味噌などの発酵食品は乳酸菌を多く含んでいますので、それらを意識して摂ることで乳酸菌を腸まで届けることが可能です。
でも、それだけでは実は不十分です。乳酸菌も生きていますから、元気に活動する為には乳酸菌のためにご飯を提供しなければいけません。
乳酸菌のご飯として有効なのはオリゴ糖と食物繊維。どちらも乳酸菌を元気にしてくれます。
特に食物繊維は便秘解消にも有効なのでたくさん摂りたいですね。バナナなどはオリゴ糖も食物繊維も豊富です。
スライスしたバナナにヨーグルトと蜂蜜をかけたひと皿などは便秘解消にも腸内環境改善にも有効なので朝食に摂るようにすると効果的ですよ。
乳酸菌とそれを元気にさせる食品を意識してとることで腸内環境は改善され、結果的に便秘も解消されていきます。
小さな食生活をかえることで、元気な毎日をすごしていきましょう。